環境を高精度にモデル化
物理モデリングとAIを、あらゆる入力ソースと組み合わせることで、極めて詳細なデータ推定を瞬時に計算
Borealis(ボレアリス)は、Recursiveが独自開発したプラットフォームで、環境中の物理的な現象を精密にモデル化できる技術です。物理学も組み合わせたハイブリッドAIモデルとなっており、物理学に基づく専門知識と高解像度メッシュマップを融合させ、日射量や地下水位、地下汚染拡散などの物理的な仕組みの詳細なモデル化と予測を可能にします。
Borealisの仕組み
Borealisは、物理学に基づくシミュレーションを行うためのソフトウェアコンポーネントやデータパイプライン、アーキテクチャを統合し、最先端の学術研究と技術革新から得られた手法を融合させて開発されています。
Borealisは、さまざまなデータソースを取り込むことができる、Recursiveが独自開発したプラットフォームです。サードパーティのデータとお客さま独自のデータやセンサーから得られた情報を統合させた、高解像度の地理メッシュを作成します。このメッシュに、物理学的な専門知識や、モデル化する物理的な仕組みとシステムに特有の物理的知識や数式と組み合わせることで、最高水準のシミュレーションと予測を実現しています。 汎用的なシミュレーションを行う際は、以下のようなイメージで進められます。
優れた精度
Borealis は、スピードを犠牲にすることなく高い精度を実現するために、ゼロから開発・設計されています。Recursiveが提供する詳細なシミュレーションにより、投資や運用活動のリスクを軽減できるほか、導入期間を数年から数か月に短縮したり、現場でのモニタリングにかかる運用コストを削減したりすることも可能です。そのため、お客さまの競争優位性を高め、新しいビジネスモデルの実現を促進します。
例えば、ある企業のプロジェクトでは、1,200km²の広大な土地にBorealisが活用されました。この土地で7日間の地下水位予測を行った際、モニタリングセンサーはわずか20カ所にしか設置されていなかったにもかかわらず、15m²ごとの区画において±6cmの誤差範囲で高精度な予測を実現しました。
また、太陽光発電パネルの設置場所を選定する際にBorealisを活用することで、特定の地点における太陽光発電の出力を高精度に予測され、過去の日射量の変動に関する詳細なデータが提供されるため、投資判断のリスクを軽減することが可能です。従来の方法では投資判断においてスピードと精度を両立させることが困難でしたが、Borealisを利用することで、手作業で数週間かかっていた算出作業をほぼ瞬時に行えるようになり、従来ではできなかった方法で複数の候補地を検討・比較することが可能になります。
業界別の活用事例
Borealisは、水、太陽光、風、植生など、あらゆる物理的現象をモデル化し、さまざまな業界で幅広く活用されています。
エネルギー
- パネル設置のための太陽光発電出力予測
- 消費者のエネルギー需要予測
- タービン設置のための風力資源評価
- 水力発電最適化のための水流と貯水池水位予測
保険
- 洪水、地震、台風、山火事、地滑りなどの高精度自然災害・気候リスクマップ
- 農作物保険のための農作物収量予測とリスク評価
林業管理
- 地下水位モニタリングと延焼モデル化による山火事の緩和
- 衛星や検知器による植生の健全性モニタリング
- 森林バイオマスや土壌の炭素貯留管理
- 土壤侵食の予測 管理
- 気候変動影響モデリング
- 森林再生計画や成長モデル化
政府機関
- 高精度の災害予測
- 災害対応マップの作成
- リアルタイムデータに基づき、災害対応時に危険な住民の特定
- 気候変動のリスクマップ
- 森林の健全性のモニタリング
- 土地利用管理におけるエネルギー資源の可能性
- 政策立案のための素
農業
- 作物収量予測と最適化された作付けスケジュール
- 灌漑最適化を伴う土壌水分モニタリング
- 地形と土壌データを利用した精密農業による肥料使用の最適化
小売
- 天候パターンによる顧客行動分析と需要予測
- 天候パターンによる来店予測
- サプライチェーンのリスクや回復力評価
- 生鮮品管理のための温度・湿度予測
- 立地選定 店舖計画
活用事例
加藤剛志さま資源環境事業本部 理事・副本部長住友林業株式会社
「Recursiveは、豊富な実績と優れた技術者を擁しています。……工学的な視点に加え、生物物理学の知識を有していることは、非常に大きな強みであり、大きな安心材料だと感じました。」