自動正誤判定で、教育の質向上を実現

クライアントの背景
小・中学校用の教科用図書教材の出版と販売などを行う株式会社教育同人社(以下、「教育同人社」)は、すべての子どもたちがそれぞれの可能性を最大限に伸ばし、互いに協力し合い、幸せな社会の実現に貢献できる未来を創造するというビジョンを掲げ、多様なニーズに対応した質の高い教育教材の開発に尽力しています。
課題
日本の教育現場、特に小学校では、依然として紙媒体の宿題やテストが広く用いられており、こうした採点業務によって教員の負担は増大し、長時間労働へとつながっています。教員の業務軽減と教育の質向上を実現するには、デジタル化を行うことが不可欠でした。
このような背景を踏まえ、教育現場のデジタル化を推進するために、教育同人社は児童が手書き解答した紙の計算ドリルを、自動で正誤判定するAIモデルの開発に取り組みました。教育同人社の掲げる「持続可能な教育活動の実現」というビジョンに伴走しつつ、カスタムAI開発を行える技術力を有する企業として、開発パートナーにはRecursiveが選ばれました。
Recursiveのソリューション
Recursiveは、小学校算数の計算問題の正誤判定・採点・成績集計ができるAIモデルの開発をしました。本AIモデルは、横算形式と整数の四則演算に加え、従来のAIでは技術的にも難しかったひっ算形式や小数を含む四則演算の正誤判定も可能となり、高度かつ柔軟な判定が実現しました。
児童がスマートフォンやタブレット端末のカメラで自分の手書き解答を撮影すると、AIがそれを自動認識します。アップロードされた画像は高度に解釈・テキスト化され、解答の分析後、採点結果が即座に表示されます。

精度とガイドラインへの準拠
このAIモデルは、日本の教育指導領域に沿った採点を行うようにファインチューニングされています。正確性に加え、解答は特定の形式に準拠しなければ正答と見なされません。これは、標準化された教育実践への適合性を確保するためです。
Recursiveのエンジニアリングチームは、教育同人社との連携を通じ、同社がこれまでに蓄積した教材データの収集とラベル付けによる、モデルのファインチューニングを行いました。その結果、手書き入力から解答を高精度に認識し、重要な要素を正確に特定することが可能です。

セキュリティと今後の開発
Recursiveは、セキュリティとデータ管理を最優先事項としています。本モデルは、Recursive独自の安全なGPUインフラ上で作動し、すべてのデータはクライアントの管理下で保護されています。
今後は、より広範な小学校の計算領域に対応できるようアシスタントの機能を拡充することや、成績の自動集計機能の搭載を行うことが予定されています。個々の児童の記録を統合し、カスタマイズされた学習プログラムの実践も可能にするなど、学校における教育データの有効活用を支援します。

成果
Recursiveの自動で正誤判定するAIモデルの導入により、以下の成果が見込まれます:
- 採点時間の短縮:わずか10秒で自動採点を完了し、教員の採点時間を大幅に削減
- 教員の業務軽減:業務の負担を減らし、手作業による採点の必要性を最小限に抑えることで、教育の質を向上
- 採点の一貫性:公平性を保ち、採点者によるばらつきをなくすことで、信頼性の高い評価を実現
お客様の声
「次世代を担う子どもの成長に欠かせない先生方の負担軽減に対するRecursiveのサステナブルなアプローチに対し、当社が描く将来像と供していると感じたため、共に進むことができるパートナーであると判断し、選定しました。」
株式会社 教育同人社代表取締役社長 森 達也様