【Borealis(ボレアリス)プロジェクト・レポート】インドネシア出張:2024年2月27日 - 3月2日

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【Borealis(ボレアリス)プロジェクト・レポート】インドネシア出張:2024年2月27日 - 3月2日の表紙画像

2024年の2月下旬から3月上旬、Recursiveのチームは重要なプロジェクトを推進するため、インドネシアを訪れました。インドネシアにある熱帯泥炭地は近年、森林火災や洪水などの自然災害が頻発し、豊かな生態系が脅かされています。そこで、シュッコスキ・カンタン、リャムジン・ディミトリィ、ランドアップ・デイビッドの3人で構成されたチームは、西カリマンタンの熱帯泥炭地における地下水位を正確に予測するAIモデルを強化するプロジェクトに取り組みました。この技術は、災害を事前に防ぎ、地域の住民や生態系を守り、自然の回復を促すことを目指しています。2年以上の歳月をかけて研究を重ねてきたチームは、現地でのフィールドワークを通じて、多くの貴重なデータを集めることに成功しました。彼らの洞察や熱い想い、そしてこのプロジェクトの裏舞台を詳しくご紹介します。

左から右へ:カンタン、ディミトリィ、デイビッドたちが、現地事食事を楽しむ様子。

現在、地球の肺と呼ばれる熱帯雨林が、深刻な危機に瀕していることをご存知ですか?森林火災や洪水、そして気候変動の影響で、多くの熱帯雨林が失われています。

Borealis(ボレアリスは、そんな地球の”肺”を守るガードマンのような役割を果たしています。Recursiveの4つのコアテクノロジーの1つであり、先進的な物理ベースのモデリングとAIを使用して環境管理を改善するAIモデルです。大規模な機構データや衛生画像などを分析し、森林再生、炭素貯蔵、水資源の保全、火災防止、生態系保護など、私たちの生活を豊かにする様々な分野に応用することができます。インドネシアで取り組んでいるプロジェクトでは、ボレアリスを使い地下水をモデリングすることによって、熱帯泥炭地の保護と修復を行なっています。

質問1: 2年以上取り組んできたプロジェクトですが、実際に現地に行くのはどうでしたか?

ディミトリィ:ついにデータのルーツを見ることができ、非常にエクサイティングでした!3時間ものスピードボートの旅の果てに現れたのは、鶏たちが歩き回っているジャングル。その光景は、まるで現実離れした感じがしました。現地の人の生活を間近で見ることができ、日々の苦労や生き様を理解する貴重な経験となりました。現地の人々と直接触れ合うことで、強いモチベーションを得ることができました。 カンタン:現場は日常生活と職場が一体となった場所でした。そこで働く人々は生活もしているため、自給自足で生活ができるような場所でした。今までは画像やデータしか見たことなかった場所で、実際みんなとバレーボールをしたり、一緒に食事をしたり、地元のチームと交流したりすることができ、プロジェクトに取り組みにおいて大きなモチベーションになりました。 デイビッド:プロジェクトを行うにおいて、私たちのアクションや仮説には常に疑問がありました。それらの疑問を解決するだけでなく、実際に自分たちが理解しようとしてきたことを目の当たりにするのは、不思議な体験でした。1年前にはわからなかったことが目前に現れ、「探していた答えはここにある!」と同僚にメッセージを送ったことを覚えています。ですから、それらを実際に目にすることができたのは、とても感慨深いものでした。

質問2: この出張でBorealisソリューションを改善することができましたか? ディミトリィ: 彼らが使用している灌漑システムについて多くのことを学びました。この知識を今後のモデル開発にも活用したいです。現地に行く前にあるフェーズを完了し、出発前に製品を納品していたため、まだ得られた知識を十分に活用していませんが、今後は活用していく予定です。

質問 #3: 現地にいる間に、これまでの仕事に関するフィードバックを受けましたか? デイビッド: 様々な立場の人たちと意見交換を通し、私たちのプロジェクトに対する客観的な評価を得ることができました。特に、現場ならではの課題や改善点について率直に聞けたことが貴重でした。このような意見交換を通して、私たちの技術がいかに現場に貢献できるのか、そして、今後どのように改善していくべきかを具体的にイメージすることができて、とても満足しています。

カンタン: 通常は現場と本社間のコミュニケーションは限られているため、プロジェクトに関わっているメンバーそれぞれが考えていることや抱える課題の着目点が異なってしまうことがあります。現場のエンジニアたちは、毎日現場で仕事をしているからこそ分かる独特な悩みやアイデアを持っているんですよね。一方、東京の本社にいる私たちは、全体的な視点からプロジェクトを進めていく必要があります。この両方の意見をうまくすり合わせるのは難しいタスクですが、達成できればより良いプロジェクトに繋がると信じています。

以前から現地の人たちと信頼関係性を築いてきたおかげで、今回の訪問でも温かく迎えてもらえました。彼らの生の声を聞き、私たちも多くのことを学びました。これからも、現場と本社の橋渡し役として、より良いプロジェクトを進めていきたいです。

スピードボートに乗って、いざ出発

質問4:このプロジェクトはチームの価値観や目標とどのように一致していますか? ディミトリィ:Recursiveが目指す『持続可能な社会』を具現化する、まさにモデルケースだち思っています。ジャングルという厳しい環境の中で、人々が自然と共存している姿は、私たちに多くのことを教えてくれます。現地の人々はビジネスの広範な影響に真剣に取り組んでいます。彼らの熱意には私たちも深く感動し、Recursiveの目標とも一致しているなと思いました。

カンタン: インドネシアで取り組んでいるプロジェクトは私たちの会社の象徴とも言えるものです。近年、私たちの会社は価値観に沿ったプロジェクトを次々と進めていますが、このプロジェクトは、私たちの会社にとって極めて重要なプロジェクトであり、その成否が会社の将来を大きく左右すると言っても過言ではありません。このプロジェクトが影響はする範囲は設や事業エリアに止まりません。この地域のほとんどが自然保全区になっているため、広範囲で貴重な生態系を守っています。現地の人々はオランウータンや他の絶滅危惧種を保護するために、カメラやセンサーを設置し、彼らの生息地を監視しています。これらの取り組みは、地球環境の保全に大きく貢献しています。

デイビッド: 泥炭地は、大気中の二酸化炭素を吸収し、貯蔵する能力が非常に高いので、二酸化炭素排出量を削減する画期的なプロジェクトだと思います。泥炭地を保護することで、森林火災を防ぎ、貴重な生態系を守ことができます。さらに、泥炭地は、熱帯雨林の成長を促し、その木材を使って住宅を建設することで、大気中の二酸化炭素を減らすことができます。 しかし、泥炭地は、特定の気象条件を必要とするため、保護が難しい側面もあります。特に、乾燥すると非常に燃えやすく、一度火災が発生すると、大量の二酸化炭素が大気に放出されてしまいます。私たちのプロジェクトは、このような火災のリスクを軽減し、地球規模の環境問題を解決するための重要な一歩となるでしょう。

左から右へ:カンタン、ディミトリィ、デイビッド

質問5: このプロジェクトを通して、ボレアリスのチームはどのように変わりましたか? ディミトリィ: 現地で得られた貴重な経験と専門知識は、私たちのチームをさらにレベルアップさせました。今後は、より広範囲な地域で、より長期的なプロジェクトに挑戦し、社会貢献の幅を広げていきたと考えています。

カンタン:私たちのチームは今後も、このプロジェクトのような持続可能な取り組みを積極的に支援していきます。現在、他の企業との長期的なプロジェクトも進行中です。一見すると、異なる分野のプロジェクトでも、共通点を見つけることがあります。例えば、日本とインドネシアのプロジェクトは、環境は異なりますが、開発したアプローチや知識、システムを応用することができます。 特に、水に関するプロジェクトは、私たちのチームの強みであり、共通のテーマとして様々なプロジェクトを結びつけています。また、ボレアリスには、多くのエクサイティングなアイデアが蓄積されており、今後の展開が楽しみです。

スピードボートに乗る、ディミトリィ

質問6:Borealisは具体的にどのようにこのプロジェクトを支援しているのでしょうか? ディミトリィ:現地の水管理や運河システムの洗練された技術には、驚かせれました。彼らは、自分たちの仕事に精通しており、私たちからの最小限の介入でうまくやっています。改めて、私たちの役割は彼らの活動のサポートをすることなんだなと思いました。私たちは、彼らの推測をより正確で科学的根拠があるものにすることを目指しています。 カンタン:現地の人々は、すでに多くのことを成し遂げていますが、私たちは彼らの活動をさらにサポートすることができます。気候の変化や自然現象の影響を正確に予測することは難しいことです。私たちの技術は、彼らの活動をサポートし、予測の精度を高めることで、将来の課題を解決することができます。 例えば、私たちが現地を訪れた際には、あまり雨が降りませんでしたが、最終日に大雨が降りました。現地の人々は、過去2日間にすべての作業をやり直さなければならなかったと言っていました。私たちの技術は、このような状況を予測し、対策を講じることで、彼らの生活をより安定させることができます。

質問7:現地の人々との交流はいかがでしたか?

ディミトリィ:みんなとてもフレンドリーで、手作り料理はとても美味しかったです。カンタンが彼らとバレーボールしている姿を見ながら、私は暑さから逃げていました。

カンタン:訪問中、人々はとても親切で温かく迎えてくれました。地元の方々と交流し、外部者と感じることなく過ごせたのは本当に素晴らしい経験でした。そして、地元の人々からも尊敬されている、地域の専門家ともお話しができました。彼を自然の環境で見て、彼のサポートを得られるのは良かったです。

デイビッド:言葉の壁を超えた素晴らしい体験でした。現地の人々の笑顔が溢れる雰囲気に包まれ、皆さんが私たちの仕事を心から歓迎してくださったのが伝わりました。彼らは英語を話せず、私たちはインドネシア語が話せない中で、ジェスチャーを使ってコミュニケーションを取りながら、思いの通じ合う時間を過ごせたことが本当に嬉しかったです。地域の美しさや楽しい雰囲気をもっと味わいたいとも思い、もう少し滞在したかったとさえ思いました。

デイビッドとディミトリィが地下水測定をする準備中。

質問8:次のステップは?

カンタン:現在、プロジェクトを新たな地域に拡大し、さらなる可能性を探求しています。まだ決定はしていませんが、このプロジェクトは大きなポテンシャルを秘めています。より多くの成果を上げ、より大きなインパクトを与えることができるよう、私たちは楽観的な気持ちで取り組んでいます。

デイビッド:次のステップは、このソリューションを他の地域に汎用化することです。灌漑や運河の設置場所の計画や、長期的な分析と将来予測に活用できる拡大なエリアが存在します。

カンタンとデイビッド、フィールドに出る前のブリーフィングに参加。

Recursiveは高い技術力とサステナビリティに関する専門性を融合し、AIシステム開発とコンサルティングサービスを提供しています。当社のトップレベルのエンジニアたちが、次世代のためにより良い地球環境と社会を残すために、世界クラスのテクノロジーで新しい社会を創造することをリードしています。

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ビジネス・インターン

Adélie Helac

フランスのEMBA Business Schoolにて、アジア圏を中心とした国際経営学の学士号を取得中。韓国での交換留学やバンコクでのボランティア活動など幅広い国際経験を通じ、アジア圏におけるビジネスや文化への理解を深める。 また、これらの経験から得たマーケティング領域の専門知識を活かし、2024年から株式会社Recursiveのビジネス・インターンとしてマーケティングと事業開発における戦略的プロジェクトに参画。

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